5月23日(木)に映画『ハピネス』公開記念舞台挨拶を開催しました。イベントには窪塚愛流さん(国木田雪夫役)、蒔田彩珠さん(山岸由茉役)、橋本愛さん(国木田月子役)、山崎まさよしさん(山岸英生役)、吉田羊さん(山岸莉与役)、篠原哲雄監督が登壇しました。
初めて主要キャストが勢揃いした舞台挨拶。大きな拍手のなか登壇し、公開を迎えた今の気持ちとして、窪塚さんは「家族や友人から『よかったよ』という反響や、Xでの感想もお見かけして、とても嬉しいです。」、蒔田さんは「一番嬉しかったのは、母からの感想で『羊さんとの関係性が実際の私たち(親子)にも似ている。由茉が明るくふるまえるようなこんな素敵な人(雪夫)と結婚してほしい』という声でした。」、橋本さんは「嶽本野ばらさんの原作がすごく大好きで思い入れのある作品なので、映画として新たに世に放たれるのは感慨深いです。」、山崎さんは「僕も実際に娘がいるので感情移入が半端なかった。僕の泣き顔をいっぱい拝めると思います。」、吉田さんは「「#ハピネス」でエゴサーチするのですが、その中でも一番多いのが『実際、自分が親だったら、こんなに達観できないという感想。そういう方々にも、この映画のラストを観て色んな感情を受け取っていただいて、こういう家族の寄り添い方もあるのかなという形でたくさん感想を聞かせていただけたら嬉しいです。」、篠原監督は「余命わずかな登場人物の物語ではあるが、『ハピネス』というタイトルなだけあって、最後には『観てよかった』と幸せがもたらされるようにと願って作った作品。楽しんで観ていただければ」とメッセージを送りました。
続けて、蒔田さん演じる由茉の母役を演じた吉田さんが窪塚さん、蒔田さんと共演した感想について聞かれると、吉田さんは「由茉が雪夫に拒絶され、感情を吐露する一発撮りのシーンがあったのですが、そこでものすごい集中力で一発OKを出して、すごい集中力だなと。と思いきや、フレンチトーストを食べるシーンの撮影後に『これは食べてもいいんですか?』と食べようとする、普通の女の子としてのかわいらしい一面もあり、蒔田彩珠という方と一緒にお仕事が出来てよかったと思いました」、窪塚さんについては「雪夫の感情が溢れ出すシーンでは、『もう一回やらせてください』と何度もテイクを重ね、苦しみもがきながらも自分の納得するところに到達しようとされている姿が、由茉の死を受け止めようとする雪夫の姿と重なって私は膨大な涙を流してしまいました。お二人のお芝居が、このファンタジックな物語に説得力を出していると思いました」と答えると、蒔田さん窪塚さんは感無量の面持ちで笑顔を見せました。
イベントの終盤には窪塚さんから、サプライズとして共演者へのメッセージが。窪塚さんは、「未熟者の自分にこんな素敵な大役を与えてくれてありがとうございます。こんなにも心が揺れる役を演じられたのは間違いなく自分だけの力ではありません。」と共演者全員へ感謝を伝え、さらに一緒に主演を務めた蒔田さんへ「蒔田さんの存在が大きな支えになっていました。蒔田さんからにじみ出る魅力や撮影当時も今も学んだことを、これからも一生大切にしていきたいです。」と続けました。それを受け蒔田さんは、「ウルっと来ちゃいました。私も恋愛ものが初めてで、やる前もドキドキしてたのですが、今回相手が愛流くんでよかったなって思っています」と目を潤ませました。
さらに劇中の家族が集まる中、なんと窪塚さんの実際の家族である父・窪塚洋介さんからも窪塚さん(愛流)へのメッセージが届き、MCによって代読された。「『鍋をください』この台詞を絞り出した時のお前の顔がとても好きだった。芝居なのかお前自身なのか、お父さんにもよく分からないほど“ピュアで不器用で荒削りな”雪夫という役がとてもよく似合っていたと思う。ずっと苦しんでいた役は最後に空を見上げながら“ハピネス”を感じる為だったと現場で追体験してくれていたら幸いです。」との温かい祝福のメッセージに、窪塚さん(愛流)は「自分にもサプライズがあるとは…」と目を丸くして驚きながら、「ここまで誉めてもらえるとは思わず、今すごく嬉しいです」と声を震わせながら感謝の気持ちを表しました。
最後に、映画をこれから鑑賞する観客に向けて、蒔田さんは「ぜひこれを見て自分の“ハピネス”だと思えるものを見つけて今日帰ってほしい」と心を込め、窪塚さんは「この世界には、たくさんの愛情や幸せが溢れています。皆さんに『ハピネス』を通して、皆さまのそれぞれの人生の幸せを見つける支えや手助けになったらいいなと思います。」と力強いメッセージを送り、拍手喝采の中、舞台挨拶は終了しました。
©嶽本野ばら/小学館/「ハピネス」製作委員会